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1.

論文

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前田, 譲治
出版情報: 北九州市立大学文学部紀要 = Journal of the Faculty of Humanities, the University of Kitakyushu.  pp.25-39,  2007.  北九州市立大学文学部
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000144/
概要: マラマッド文学のユダヤ的特質の分析に焦点を当てた、書物の形で刊行された諸評論を網羅的に鳥瞰した。すると、イディッシュ文学、ユダヤ教に関する著述などの文筆活動に読み取れるユダヤ人の過去が、作品内容とどのような形で通じているかを論じた評論が極め て多数を占めることが判明した。あるいは、ユダヤ人固有の歴史に対するマラマッドの姿勢が、繰り返し分析されている事実が分った。他方、作品執筆時の現実との関連性から、マラマッド文学のユダヤ的特質が分析されることは殆どなく、ユダヤ人固有の価値観や美意識と作品との関係にも目が向けられない。また、ユダヤ的特質が論じられる際には、作品の極めて限定された一側面のみが俎上に上がる。さらには、ユダヤ史への言及に際しては、歴史書などの二次資料による論証が殆どなされない。既発表の評論には、以上のような欠落が見出せる事実を踏まえて、二次資料を使用した形で、作品執筆時のユダヤ人の精神構造と、作品全体が伝える世界観、人間観との関連性に焦点を当てた、マラマッド文学のユダヤ的特質の分析の必要性を訴えた。 続きを見る
2.

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前田, 譲治
出版情報: 北九州市立大学文学部紀要 = Journal of the Faculty of Humanities, the University of Kitakyushu.  pp.41-52,  2007.  北九州市立大学文学部
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000147/
概要: 日米が各々制作した2種のゴジラのcharacterizationの比較と、日米の映画題名の方向性の比較と、アメリカ映画の素材の検討を行った。これらの作業を通して、アメリカ人は荒唐無稽な映画内容を、現実との連続性を有した、現実と近しい世界と眺 める傾向が強いのに対して、日本人は、映画内容を現実と完全に乖離した別世界と認識する傾向が強いことを明確化した。次に、現実の日本人とアメリカ人の行動形態に注目した。まず、日本人とは異なり、アメリカ人は映画内容に対して、それが現実であるかの如き反応を示す点を明らかにした。次いで、日本人が決して現実とは認識できない荒唐無稽な噂を、アメリカ人は現実として受容する点に注目した。以上の在り方を論拠として、アメリカ人が現実として受容可能な領域は、日本人よりも格段に広く、日米間では現実認識のあり方に多大な差異が存在すると結論付けた。 続きを見る
3.

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前田, 譲治
出版情報: 北九州市立大学文学部紀要 = Journal of the Faculty of Humanities, the University of Kitakyushu.  pp.1-16,  2010-03.  北九州市立大学文学部
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000204/
4.

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前田, 譲治
出版情報: 北九州市立大学文学部紀要 = Journal of the Faculty of Humanities, the University of Kitakyushu.  pp.65-80,  2011-03.  北九州市立大学文学部
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000210/
概要: 登場人物が生活の質的向上を目的として自由意志により移動を行った場合、例外なく、希望とは完全に反した結果が訪れる一貫性をマラマッド文学は内包する。それらの行動を行った登場人物に対する作者の視線も冷淡である。他方、人口に膾炙した複数のアメリカ文 化論が、アメリカ人は移動を生活状況の向上に資するものと認識する傾向が強い点を強調している。そうであるならば、マラマッド文学は、アメリカにおける一般的価値観に対するアンチテーゼを展開する側面を持つ。他方、ユダヤ人の歴史に着目すると、ユダヤ人の移動に関しては、自由意志とは無関係に環境に強いられる形で実行され、また、自由には行えなかったイメージが支配的である。そのようなイメージを持った、ユダヤ人にとっての典型といえる移動を行う登場人物がマラマッド文学には多数登場する。それらの人物は肯定的に描かれる傾向が極めて強く、作者の共感の対象となっている。以上に確認できた、二種の移動各々に対する作者の対極的な評価を根拠に、マラマッドを、ユダヤ人の歴史を意識し続けつつ執筆活動を行い、Americanizationを拒絶する姿勢が鮮明な作家と位置付けた。 続きを見る
5.

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前田, 譲治
出版情報: 北九州市立大学文学部紀要 = Journal of the Faculty of Humanities, the University of Kitakyushu.  pp.99-116,  2012-03.  北九州市立大学文学部
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000293/
6.

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前田, 譲治
出版情報: 北九州市立大学文学部紀要 = Journal of the Faculty of Humanities, the University of Kitakyushu.  pp.1-15,  2013-03.  北九州市立大学文学部
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000296/
7.

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前田, 譲治
出版情報: 北九州市立大学文学部紀要 = Journal of the Faculty of Humanities, the University of Kitakyushu.  pp.1-15,  2014-03.  北九州市立大学文学部比較文化学科
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000397/
8.

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前田, 譲治
出版情報: 北九州市立大学文学部紀要 = Journal of the Faculty of Humanities, the University of Kitakyushu.  pp.1-18,  2015-03.  北九州市立大学文学部比較文化学科
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000401/
9.

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前田, 譲治
出版情報: 北九州市立大学文学部紀要 = Journal of the Faculty of Humanities, the University of Kitakyushu.  pp.151-168,  2016-03.  北九州市立大学文学部比較文化学科
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000474/
10.

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前田, 譲治
出版情報: 文学部紀要.  pp.19-39,  2017-03.  北九州市立大学文学部
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000521/
11.

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前田, 譲治
出版情報: 北九州市立大学文学部紀要.  pp.53-73,  2018-03.  北九州市立大学文学部
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000589/
概要: Adventures of Huckleberry Finn の主人公ハックが創出する嘘や想定には、自身が暴力によって殺害される状況を好んで提示しようとする一貫性が潜在している。しかし、このあり方は、非常に不分明で読者は把握しづらい。その上 、ハックは暴力への鑑賞意欲が旺盛で、かつ、暴力志向を有している。しかし、これらの事実を判別し辛くする戦略的叙述も、ハックは一貫して展開している。以上の通り、一貫してハックは、自己に内在する暴力志向と、彼個人とを分断する叙述を展開している。ハック以外の登場人物に目を向けると、彼らが暴力行為に出る際には非個性化、匿名性の付与が一貫してなされている。固有名が明示されているシャーバンによるボッグズの殺害も、彼単独の行動としては位置付けられておらず、周囲の人々との共同作業の結果として提示されている。対照的に、暴力行為に出ていない登場人物の場合は、些末的な人物であっても固有名が一人一人に対して丁寧に付与され、徹底的に個別化されているケースが非常に多い。以上の作品の方向性を踏まえると、作中の暴力行為は個々人の個性の発露の結果としてではなく、場に存在している人々の総体的な行為として位置付けられていると考えられる。他方、現実の旧南部においては、暴力性の発露は住人の間に偏在している、極めて日常的な行動様式であり、この事実をトウェインは熟知する立場にあったことが、歴史的事実や作者の伝記から判明する。加えて、本作の執筆時にトウェインは、北部に移住し、南部とは異質なHartford の礼節が重んぜられる平穏な雰囲気の中で生活しており、南部の暴力に係る特質を客体視しうる立場にあった。以上から、本作の暴力描写は、作者の心象に基づいて、旧南部の現実が再現されている点にこそ、その本質が存すると結論付けた。 続きを見る
12.

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前田, 譲治
出版情報: 北九州市立大学文学部紀要.  pp.35-56,  2019-03.  北九州市立大学文学部
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000644/
13.

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前田, 譲治
出版情報: 北九州市立大学文学部紀要.  pp.49-67,  2021-03.  北九州市立大学文学部
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000832/
14.

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前田, 譲治
出版情報: 北九州市立大学文学部紀要.  pp.51-72,  2020-03.  北九州市立大学文学部
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000835/
15.

論文

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前田, 譲治
出版情報: 北九州市立大学文学部紀要.  pp.97-118,  2022-03.  北九州市立大学文学部
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000897/
概要: マラマッド文学の社会情勢描写において最大の存在感を有する事象は、背景を含めて描かれている、ポグロムとホロコーストである。他に、複数の戦争やアフリカ系アメリカ人弾圧への言及も目立つが、それらの事象もイメージの連鎖によって、不分明な形ではあるが 、ポグロム/ホロコーストと連接されている。ただし、以上の描写は、直接的言及よりも、暗示や断片情報の提示に留まる例が多い。これは、非ユダヤ系読者の存在を、マラマッドが執筆時に意識した結果と考えられる。以上から、ユダヤ系固有の史実への関心と、非ユダヤ系読者への配慮を両立させつつ描出する作者の姿勢が、社会情勢描写の背後には指摘できる。 続きを見る
16.

論文

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前田, 譲治
出版情報: 北九州市立大学文学部紀要.  pp.127-151,  2023-03.  北九州市立大学文学部
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00001008/
概要: 「最後のモヒカン族」においてアーサー・フィデルマンは、美術研究の目的でイタリアに渡航する。ところがフィデルマンは、当初の目的とは無関係な、ホロコーストの余韻や記憶との近接体験を促される。このパターンを、アメリカからイタリアに渡航した、他作品 のユダヤ系登場人物が共有している。さらには、イタリア人描写に注目しても、ホロコースト犠牲者ではないイタリア人と、ユダヤ系のホロコースト犠牲者との間の境界線を曖昧化する技巧が、作中に張り巡らされている。加えて、『アシスタント』などにおけつ、イタリア人(系)とユダヤ系の人間関係の描写に注目すると、ホロコースト時のイタリア人の対ユダヤ系への姿勢を念頭においた、イタリア人(系)の人物描写が展開している。以上を論拠として、マラマッドのホロコーストへの鋭敏な意識を起点として、マラマッド文学中のイタリア関連の叙述は構築されていると結論付けた。 続きを見る