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近代の鉱山における「飯場制度」の合理性--1880年代から1910年代の足尾銅山を事例として

フォーマット:
論文
責任表示:
土井, 徹平
言語:
日本語
出版情報:
北九州市立大学経済学会, 2016-03
著者名:
土井, 徹平  
掲載情報:
北九州市立大学商経論集 = The Review of business and economics
ISSN:
13472623  CiNii Research  Webcat Plus  JAIRO
巻:
51
通号:
1・2・3・4
開始ページ:
37
終了ページ:
64
概要:
近代日本の鉱山では、企業が直接、鉱夫を雇用する場合であっても、企業と鉱夫との間に「飯場頭」と呼ばれる中間者が介在し、彼らが鉱夫の徴集や統轄を担っていた(この間接的な労働者管理の体制を「飯場制度」と言った)。こうした体制が採られるようになった背景には、同時期、全国的に見られた労働市場の流動化という事実があった。鉱業では鉱夫を雇用するうえで、募集費のみならず山間部での生活保障費など多大なコストがかかった。しかし鉱山との勃興と大規模化に伴い、労働力不足が慢性化するようになると、鉱夫 はよりよい待遇を得られる鉱山・炭礦を求め、頻繁に労働移動(雇用契約を一方的に破棄した形での「逃亡」)を行うようになる。この結果、雇用のために支払ったコストは、回収される前に損失化することとなった。このため企業は、コストとその損失化というリスクの集中を避け、それらを分散する、リスクマネージメントを講じざるを得なくなった。そしてここにおいて「飯場頭」は、コストとリスクを肩代わりすることで、損害が直接企業に及ぶことを防ぐ「緩衝材」としての役割を果たすこととなった。本稿では以上のような事実を、1880年代から1910年代の足尾銅山を主な事例とし、古河鉱業足尾事業所の経営史料をもとに実証的に分析し明らかにした。 続きを見る
URL:
http://id.nii.ac.jp/1077/00000436/

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