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1.
論文 |
清水, 順子 ; 小林, 浩明
概要:
日本語教師の養成や教育に携わる中で、日本語教師をやめていく人を見ることは少なくない。本研究では、一人の元日本語教師の事例に注目し、なぜやめるに至ったのか、そしてやめたことをどのように捉えているのかを理解することを目的とした。インタビューを行
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い、M-GTA の分析方法を用いて構造化を行った結果、やめるに至るには、単にやめたいと思ったからではなく、その時の状況で仕事への復帰が先延ばしになった結果だとわかった。また、外側から見ると完全にやめてしまったようにみえた人が、実はいずれは仕事復帰したいと希望していることもうかがえた。
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2.
論文 |
水本, 光美
概要:
現在の若い世代の女性標準語話者は女性文末形式を特殊な場合以外は使用しない。しかし、日本語教科書やその他教材においては、若い世代の女性登場人物は多用する。これに関して日本語教師の意識調査を実施したところ、3割近くは教材の現状を肯定しており、ジ
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ェンダー意識に基づいた理由を挙げる者もいる。しかし、7割以上が現状に即していない使用は避けるべきだという調査結果から、教科書は現状を反映する時期が来ていると考える。
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3.
論文 |
水本, 光美
概要:
日本語教科書においては、多数の男性が社会的地位の高い知的職業に従事し、女性は主にサービス業や小売業などで社会を支えるという構図が印象づけられている。一方、政府による調査結果によれば「医療」と「教育」の分野では女性就業者が多く、技術・専門職が
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事務職より多い。医療分野では若い世代の女性の活躍が顕著である。アンケート調査でも、日本語教育者の大半が教科書の偏った描写法に問題意識を持っていることが確認できた。
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4.
論文 |
小林, 浩明 ; 上田, 和子
概要:
本稿は、日本語教師を研究するために、言語ヒストリーという新たなアプローチを提唱するものである。従来の日本語教師研究は、学校教員を対象とした研究の成果を「教師研究」として取り入れることが多かった。しかし、日本語教育と学校教育がその成り立ちから
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目的や制度まで、実際には、多くの点で異なるように、日本語教師と学校教員には、相違点が多くある。日本語教師が第二言語の教師であることから「言語」に着目したアプローチとして、「言語学習ヒストリー」「言語使用ヒストリー」「言語教育ヒストリー」からなる「言語ヒストリー」を構想した。その可能性を探るために、実際に言語ヒストリーを作成し、ピア・レビュアーを行ったところ、語り手と聞き手の間に言語ヒストリーが共有されたが、他方で言語ヒストリーには収まり切れない体験があることもわかった。
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