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1.

論文

論文
印道, 緑
出版情報: 北九州市立大学国際論集 = CIEE journal, the University of Kitakyushu.  pp.23-39,  2007-03.  北九州市立大学国際教育交流センター
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000035/
概要: 言語教育における教員養成の傾向として、実習生の内省的意識を高めることにより授業を改善するreflective teaching という考え方が主流になっている。この論文では、北九州市立大学の日本語教員養成課程で行っている教壇実習授業の文字化 資料をもとに、実習生による授業の「振り返り」能力と「意志決定」能力の養成を取り上げた。目的は次の2つである。①実習生が自律的に自分の授業を「振り返る」能力を身につけることが‘teacher development’ の必要不可欠な段階であると位置付けた上で、「振り返りのプロセス」を促進し、その能力を開発するためにどのような意識を高めればよいのかという問題について論じる。②次に、実習生が授業において常に迫られる意志決定の能力を養成するための方法について考察する。まず、実習授業における教授技術の内容として5つのインターアクションの技術を取り上げ、それぞれについて意志決定に迫られる可能性のある事例を、実際の教壇実習授業のデータから抽出する。次にその事例をもとに、実習生の意志決定能力を促進するための1つの方策として「教師行動の選択肢リスト」の作成とその活用を提案する。 続きを見る
2.

論文

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印道, 緑 ; 田吹, ともみ ; 應地, 弥生
出版情報: 北九州市立大学国際論集 = CIEE journal, the University of Kitakyushu.  pp.63-75,  2007-03.  北九州市立大学国際教育交流センター
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000038/
概要: 北九州市立大学国際教育交流センターでは、地域在住の日本語学習者のための日本語講座を開講しており、現在「会話Ⅰ」「会話・読み書きⅡ」「会話・読み書きⅢ」の3コースを提供している。この論文では、受講生のニーズ分析をもとに地域在住者の日本語学習に 対する意識、特に学習上のどのような点に苦手意識を抱いているかに焦点をあて、それを克服するためのコース運営上の留意点を探った。その結果、①学習者は読み書き、特に漢字学習に苦手意識を持つ傾向があり、そのため語彙力が不足しがちになること、②この問題を克服するためには、初級文型中心のコースであっても、基礎的な漢字の体系的学習を組み入れたカリキュラムにし、コース終了後も学習者が自律的に漢字を含む語彙を増やすことができる能力を養成する必要があることの2点が明らかになった。 続きを見る
3.

論文

論文
印道, 緑
出版情報: 北九州市立大学国際論集 = CIEE journal, the University of Kitakyushu.  pp.1-14,  2009-03.  北九州市立大学国際教育交流センター
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000044/
概要: 私は2003年の論文1の中で、教師(実習生)が学習者との対話を維持し、深めていくための技術としてのFollow-up (Feedback) moves2の機能、特に教室内でのclassroom rapport3の形成を促進する機能についてふ れた。また、教師にとって必要な意志決定能力とそれによって決定されるFollowup movesの関係において重要な役割を担っているものが「学習者による自発的発話(Learner Initiatives:以下LI と記す)」4 であることを指摘した。この論文ではLI の中でも複数の学習者によって生起するLI に焦点をあて、それが教師の意志決定とその結果生ずるFollow-up movesにどのような影響を与えているのかを探る。そのためのツールとして、実習生に対して教壇実習終了後に行った、意志決定に関する意識調査を使用する。最後にLI とそれに応じた教師の適切な行動、言い換えると、教師のクラスにおける役割との関係について触れる。 続きを見る
4.

論文

論文
福本, 和佳子 ; 印道, 緑
出版情報: 北九州市立大学国際論集 = CIEE journal, the University of Kitakyushu.  pp.157-170,  2016-03.  北九州市立大学国際教育交流センター
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000466/
概要: 将来、日本語を使って専門的な研究や学習を続けようとする学習者にとって、読解の能力はなくてはならないものである。このような日本語学習者に自律的に日本語を読解していける力を身に着けさせるために、日本語教師は何ができるのか。漢字の読みや、個々の意 味がわからない語彙があっても自ら内容を理解し、情報収集ができる読み手を育てるためには、背景知識や持っている言語的手掛かりを駆使して推測し、内容に積極的に働きかけ・・・ 続きを見る
5.

論文

論文
印道, 緑
出版情報: 北九州市立大学国際論集.  pp.93-112,  2017-03.  北九州市立大学国際教育交流センター
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000551/
概要: この論文では、初級日本語の授業において、教師が学習者の反応についてどのようなフィードバックを行っているかを明らかにすることを目的としている。90分の授業の様子をビデオに録画し、それを文字化した資料をもとに、学習者からの自発的言語行動 (le arner initiatives) によって引き起こされた教師のフィードバック行動 (follow-up moves) を抜き出し、その機能を分析、分類した。語学の授業のインターアクションにおける特殊性は言語が教育の内容 (content) でもあり、また、教育の手段 (medium) でもあるという点である。一般的に語学の授業の談話 (discourse) においては、form-focused talk (文型や文法に焦点を当てた談話) とcontent/meaning-focused talk (意味や話大に焦点を当てた談話) の2つの形態が現れ、前者はnon-communicative talk、後者はcommunicative talkであるとされる。しかし、この論文ではこの2つを対立するものとしてではなく、互いに補完しあうものとしてとらえる。その上で、教師が学習者との対話を維持し、深めていくために、そのfollow-up movesがどのような役割を果たしているのかを探る。 続きを見る
6.

論文

論文
印道, 緑
出版情報: 北九州市立大学国際論集.  pp.103-129,  2019-03.  北九州市立大学国際教育交流センター
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000640/
概要: この論文では、初級日本語の授業において教師と学習者がどのようなインターアクションを行っているのかを、教師の教授行動と学習者の反応、特に自発的行為としての学習者の発話に焦点を当てて明らかにする。インターアクションの分析の枠組みとしては、教師の 教授行動の中の「質問の技術」「説明の技術」「学習者への指示の技術」の3つ、学習者の行動からは「教師の質問への反応」「学習者による自発的言語行動」の2つと、「それらに対する教師の対応(フィードバック)行動」の計6つのカテゴリーを取り上げる。この論文の目的は、教師側と学習者側の2方向の行動からクラス内のインターアクションの様相を把握することによって、より効率的で、複数の学習者間のインターアクションが活発に行われる授業を構築する方法を提案することである。 続きを見る