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1.

論文

論文
松本, 守
出版情報: 北九州市立大学商経論集.  54  pp.69-82,  2019-03.  北九州市立大学経済学会
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000624/
概要: 女性役員の比率が高い企業ほど,企業業績が向上する」といった,女性役員のパフォーマンス効果が,メディアを通じて,まことしやかにささやかれている。本稿では,TOPIX500から抽出した日本企業における取締役会のダイバーシティと企業パフォーマンス の関係を,女性監査役を利用した2段階最小二乗法を用いて実証的に分析する。本稿では,取締役会のダイバーシティとして,女性取締役比率と女性社外取締役比率に着目する。このテーマについて,世界各国で研究が積み重ねられているにもかかわらず,一定のコンセンサスは得られていないことに加えて,日本企業を対象とした研究は少ない。分析の結果,業種や内生性などをコントロールしていない場合,女性取締役比率と企業パフォーマンス(ROA・Tobin’ s Q)間には有意に正の関係が見られるものの,その関係は業種や内生性をコントロールすると消滅することが明らかとなった。この結果は,女性社外取締役の登用においても同様であり,メディア等で指摘されているような,女性取締役の登用と企業パフォーマンスにおける正の関係が見せかけの相関である可能性が高いことを示唆している。 続きを見る
2.

論文

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松本, 守
出版情報: 北九州市立大学商経論集.  54  pp.83-97,  2019-03.  北九州市立大学経済学会
URL: http://id.nii.ac.jp/1077/00000628/
概要: 本稿では,2017年度の「CSR企業調査」のアンケートデータを利用して,相談役・顧問制度とコーポレート・ガバナンスとの関係について,クロスセッション分析を行った。分析の結果,取締役数,社外取締役比率,上位10大株主持株比率が相談役・顧問制度 の設置(人数)に有意な影響を及ぼしており,コーポレート・ガバナンス構造の弱い企業が相談役・顧問制度を設置している傾向があることが明らかとなった。また,相談役・顧問制度は,アドバイスの必要性が高い,事業内容が複雑な企業(Complex firms)や企業特殊的な知識の重要性が高い企業(R&D-intensive firm)において設置されている傾向があることも明らかとなった。これらの結果は,相談役・顧問制度の設置理由として最も多く挙げられている,経営陣に対するアドバイスの必要性がその決定要因の1つであることを示唆していると同時に,コーポレート・ガバナンス構造が弱い企業ほど相談役・顧問制度の情報開示が妥当な要請であることも示唆している。 続きを見る